あらすじ
緋色に染まった雪の下に隠された、恐ろしい過去。
数奇な運命に導かれた3人が辿り着く「罪」と「救済」の物語──。
雪山に閉じ込められた男女3人と、雪闇に潜む“何者か”との対峙を描く、
少しホラー要素のあるサスペンス・ノベルゲーム。
山小屋に立てこもる男、奇怪な老人、美しくも不気味な雪女──。
数々の異常と窮地を乗り越えた先に、彼らが知る「緋ノ山の真実」とは?
瞬パート
瞬(しゅん)は雪洞の中で目を覚ます。なぜ自分はこの雪山に閉じ込められているのか──?
夢に現れた「火祀り」の幻影に苦しむ中、ふとした気配に顔を上げた瞬、彼は“恐ろしい存在”を目にしてしまう。恐怖に震え、叫び声をあげた先に待っていたものとは──。
真由パート
フリーライターの葛城真由(かつらぎ まゆ)は、友人の香澄(かすみ)と共に緋ノ山の頂を目指していた。
しかし、突然の吹雪に襲われ、遭難寸前の二人。そんな中、彼女たちは偶然「山守の家」と呼ばれる古びた建物を見つける。不穏な気配を感じつつも、二人はその扉を開ける──。
登場キャラクター
瞬(しゅん)
本作の主人公。雪洞で目を覚ますと、傍らには男性の遺体。彼自身もなぜここにいるのか分からず、混乱の中で動き出す。
葛城 真由(かつらぎまゆみ)
もう一人の主人公。過去の事件を追うフリー記者で、ビデオカメラを携帯。山守の家を発見後、恐ろしい悲鳴を耳にする。
香澄(かすみ)
真由の友人で同行者。彼女の依頼で登山に同行し、サポート役を務める。
二階の男
無人のはずの山守の家の二階に住んでいる謎の人物。かつての事件に関わる家族の一員とみられる。
システム
・2人の主人公を切り替えながら進めるザッピング形式
・カメラによる撮影&再生を活用したスリリングな謎解き
・バッドエンド後もヒント付きで即リスタート可能
・ゲームが苦手な人でも安心のやさしい難易度設計
プレイ感想レビュー
瞬と真由、2人の視点を切り替えながらピンチを乗り越えていくシステムは新鮮で、とても面白い仕掛けになっている。
ただし切り替えのタイミングがかなりシビアで、少しでも遅れるとすぐにバッドエンドになる点は、やや不親切に感じた。
また、一度見たキャラクターと未確認のキャラクターの表示が同じため、つい何度も同じキャラを選んでしまい、不便さを感じる場面も多かった。
選択肢を間違えると即バッドエンドになりがちで、ストーリーの流れが途切れてしまうことも。序盤にはヒントが表示されるが、終盤ではそれがなくなる場面もあり、完全に手探りになる点には注意が必要。
背景グラフィックは、一枚絵は美しく雰囲気も抜群だが、山荘内の描写に統一感がなく、没入感が損なわれてしまったのは惜しい。
ビデオカメラなどのアイテムを使った謎解き要素も魅力だが、操作がやや煩雑で、アイテム選択のインターフェースが直感的でない点が少し気になった。
全体としては、じっくり物語を読むノベルゲームというよりは、サクッと遊べる脱出系ゲームに近い印象。手軽に楽しめるという点では魅力がある。
個人的には、以前のスマホ向けホラーゲームに見られたような、雰囲気のあるイラストが好みだったので、今作の一般受けを意識したビジュアルは少し物足りなく感じた。
とはいえ、キャラクターの服装やイラストの粗さが気にならなければ、散りばめられていた謎が終盤で一気に解き明かされ、「あれはそういうことだったのか!」という納得感とともに、ヒューマンドラマへと収束していく構成はとてもよくできている。
総評
星数:★★★☆☆(3/5)
こんな人におすすめ!
・人間ドラマ×サスペンスの絡み合う物語が好きな人
・謎解きと選択肢で緊張感を味わいたい人
・「ザッピング」システムで複数視点から物語を読み解くのが好きな人
・雪山や山荘といった閉鎖的な舞台でのミステリーにワクワクする人
・ちょっとホラー、でもちゃんと感動したい人
ビジュアル&メディア資料
ゲーム情報
タイトル:緋染めの雪~雪山脱出ノベルミステリー(ひそめのゆき)
メーカー:マメクジラ
ジャンル:脱出ノベルミステリー
発売日:2025年3月28日
プラットフォーム:Nintendo Switch™
プレイ時間目安:2~3時間
レーティング:7歳以上