あらすじ
絶対的な王政の下、 栄華を誇ったネフィル王国。 しかし教暦2017年
『大壊理』 と呼ばれる年、マディクス三世の暴政により破綻し、
民の一斉蜂起によって王政は廃止に追い込まれる。
代わりに元王都にて台頭してきたのは、王政期より幅をきかせていた 『ディクス家」 と 「ダイオス家」 と呼ばれる一味だった。
両家は共に、 闇に属する巨大組織であり、ことある毎に抗争を繰り返してきた。
ディクス家は百年前に入ってきた 「余所者』 であるダイオス家を快く思っておらず、
ダイオス家は元王家の血を汲むのではと囁かれるディクス家を「気取った坊や」 と呼び、 同じく目障りに思っていた。
両家の溝は深まるばかり。 景気の悪化、 貧富の差の広まりと相まって、 闇での争いは激化していった。
そして再び時は流れ、 迷走極まる2027年-
孤児院で育ったマナは、 混沌の時代にあっても人を信じる心を失わず、 真っ直ぐに生きていた。 彼女の目標は、幼い頃生き別れとなった 兄を探し出し、 再会すること。
兄は稀なる才を持っていた為、幼い頃に貴族に引き取られていったのだ。
「今はまだ無理でも、いつか自立したら探しにいこう」
そう希望を胸に生きていたマナ。
17歳になったばかりの朝、この日が人生最悪の日になるとも知らず。
※公式サイトからの引用です
登場キャラクター
マナ(CV:なし)

主人公: 名前変更可 17歳
プレイヤーの選択により、 主人公は姿を変える。
孤児院で育った少女。 母が今は絶滅に瀕している 「歌使い』 だったため、 黒髪黒瞳という珍しい容姿をしている。
歌使いの一族は歌に魔力を込められ、 それを現象化すること が出来たというが、 マナ本人には力の発露は見られない。
一見弱弱しく見えるが、 内面的には明るくひたむきで、どんな困難にも負けないタフな精神力を秘めている。
ギルフォード(CV:箭内仁)

キャラクター年齢:27歳
ディクス家の首領。 闇組織の首領らしく冷酷非情・・ に見えて、 身内に対しては情に厚いという一面も。
ディクス家主催の闇市でマナを買うが、 一切手出しせず、 むしろ無関心。 目的が知れず、 度々マナを困惑させる。
「今世で最強の魔銃使い」
「奴の魔弾は底無しだ」
と囁かれている。
ロウ(CV:代永翼)

キャラクター年齢:18歳
ボスであるギルフォードに忠実で、 若年ながら五幹部の 内の一席を担っている青年。
主人公のことは一目見た時から気に入り、 ディクス家で の“兄貴分”となってくれる。
性格は明るく無邪気だが、 仕事の時には別人のように冷 ややかな顔をする時も・・・・・・。
戦闘時においては魔銃が使えない代わりに、 剣技では右 に出るものがいないほどの腕前を見せる。
双刃を繰るその姿から、人は 「ディクスの牙」と呼ぶ。
セラヴィス(CV:牧野秀紀)

キャラクター年齢:28歳
副ボスと並んでボスの次に決定権を持つ、 ナンバー2の 男。 一応ロウの上司にあたる。
主にはディクス家の財政管理を任されているため戦闘に は出てこないが、 今世では珍しい魔法使い。
基本的に無表情で、 笑うのは嫌味を言う時くらい。 主人
公のことは完全に 「お荷物」としか思っていない。
ロウからは 「陰険糞メガネ」 と呼ばれている。
ウィズレイ(CV:新藤涼平)

キャラクター年齢:31歳
監査役のセラヴィスと並び、 組織のNo.2で副ボス。 また、元ギルフォードの兄貴分であり、 今は良き部下で 親友でもある。
口数の少ないギルフォードの代わりに、よく弟分達の相 談役にもなっている。
本人も頼られるのが好きで、 困っている身内 (組織の人 間) を見ると放っておけない。
ディクス家に来て戸惑う主人公にとっても、兄のような 存在となる。
カミル(CV:成澤卓)

街で出会う、 陽気な花売りの青年。
落ち込む主人公を優しく慰めてくれる。
ある条件を満たすと彼とも親密な仲になれるが…
※公式サイトからの引用です
システム
物語の前半では、章ごとに設定されたテーマに沿ってストーリーが進行します。
プレイヤーは選択肢を通してキャラクターの好感度や「光/闇」の属性値に影響を与えていきます。
この属性値によって、後半のストーリー展開が大きく分岐します。
・光ルートでは、マナは彼らをそっと見守りながら運命に寄り添っていきます。
・闇ルートでは、彼らと共に戦う覚悟を持ち、深く関わっていきます。
基本仕様
・一部のキャラのみフルボイス
・主人公名前変更(デフォルト名ならボイス呼称なし)
・アイキャッチ:好感度、光/闇属性値の上昇演出。
・オプション:イベントCG/イベント回想/エンディングリスト一覧
総評
おすすめ度:★★★★☆(4 / 5)
『NOISE voice of sno』は、光ルートと闇ルートの二重構成が魅力の乙女ゲームです。異なる視点で物語を二度楽しめるため、ボリュームも満足感もたっぷりです。
キャラの“萌えどころ”が満載
まず心を掴まれたのは、登場人物の個性と関係性です。
キャラクターの個性が際立っていて、それぞれにしっかりと“萌え”どころがあるのが魅力的です。
特に印象的だったのは、表では言い合いをしながらも、心の奥底ではお互いを信頼している関係性や疑似家族のようなやりとりに、何度も胸が熱くなりました。
私は特に「光ルート」が好きで、仲間を見守り続ける主人公の健気さには思わず涙…。中でもセラヴィスの光ルート・バッドエンドで流れる特別なED曲は鳥肌もの。切なく、美しい余韻が今でも記憶に残っています。
二重構成と伏線で一気読み必至
光と闇、両ルートにハッピーエンドが用意されているのも嬉しいポイントです。2つの視点から世界観を掘り下げる構成は秀逸で、プレイのたびに新たな発見があります。
さらに、物語中に散りばめられた伏線の多さが中毒性を高めています。「このセリフ、あのシーンにつながってたのか!」と気づくたびに夢中になり、一気に読み進めてしまいました。
惜しかった点:真相の描写と表現の浅さ
一方で、物語の核心部分の描写にはやや物足りなさが残りました。
たとえば:
・ギルフォードの「歌使い」設定
・ギルフォードの目の色の意味
・主人公の過去とのつながり
など、気になる要素が提示されながらも深掘りされずに終わってしまい、肝心なところが曖昧な印象に。
また、物語に大きく関わりそうなサブキャラのエピソードも本筋とあまり絡まず、「もっとメインに集中して描いてほしかった」と感じました。
死の描写やキャラの心情変化が軽く流されてしまう場面もあり、もう一歩踏み込めば名作になったのに…という惜しさも。
「18禁」にすることでより深まったのでは?
作品全体に漂う陰鬱な雰囲気やシリアスなテーマに対して、表現がややマイルドすぎる場面も。個人的には、「R18で描かれていたら、もっと深く刺さったのでは?」と感じる箇所もありました。
世界観のリアリティや緊張感をもう一歩強調できていれば、より説得力のある物語になっていたかもしれません。
最後に
多少の物足りなさはあったものの、キャラの魅力と構成の巧みさで最後まで夢中でプレイできた作品でした。
今でもふとした瞬間に「また遊びたい」と思い出すほど、心に残る一本です。
「惜しさも含めて、愛しい」――そんな感情を抱かせてくれる乙女ゲームでした。
こんな人におすすめ!
・闇組織×擬似家族な物語に惹かれる人
・主人公が「守られる」「戦う」の両方立場で展開される乙女ゲームが好きな人
・選択肢によって運命が変わるマルチルートが好きな人
ゲーム情報
タイトル:NOISE ―voice of snow―(ノイズ ―ボイスオブスノウ―)
メーカー:Operetta
ジャンル:女性向け恋愛AVG
発売日:2011年8月26日
プラットフォーム:PC
対応OS:Windows98/Me/2000/XP/Vista/7
※対応OSに記載はありませんが、「Windows10」でもプレイしています。
プレイ時間目安:25時間
レーティング:全年齢(15歳以上推奨)
公式サイト:https://ignote.net/noise/index.html
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